2010年02月08日
2.課金ビジネスはロングネックへ
1.ネットワークの次はリアル
に続いて
2.課金ビジネスはロングネックに
今回は前回書いたwebの変遷のビジネスモデルの話。
ポータル→サーチ→ネットワーク、そして次にリアルに遷移していくのではないか、という中で連動してビジネスモデルも遷移してきている点に着目したい。
ポータル時代はバナー広告がビジネスモデルで一カ月いくらというようなざっくりしたところからはじまって1000PVいくらというようなimpsを保証するような形で発展してきた。
それに対してサーチの時代には大金脈となったリスティング広告というビジネスモデルによっていまのgoogle帝国の収益のほとんどを創りだしている。
次が注目したいところで、ネットワーク時代は当初はバナー広告型をビジネスモデルとして取り入れていったが、そもそもコミュニケーションベースのサービスから生み出されるPVの広告価値は高くなく、思ったほどの収益を上げられないできた。
ちょうど、本日 Facebook、バナー広告を一掃へ ソーシャル型広告に注力(cnet)
という記事を見かけたが、やはり通常の形のバナーは向いていない。
そんな中、facebookだけでなく、日本のSNSも含めてこのネットワーク時代に生み出されつつある大金脈が課金のビジネスモデル。
すでにGreeがはじめていたソーシャルゲーム内のアイテム課金やDeNAの成長の起爆剤になったアバター課金、Facebook上でもZyngaをはじめとしたソーシャルゲームプロバイダーが多くの収益をあげている。
BtoCのビジネスモデルのウェイトの中で広告、ECに比べればあまり注目されてこなかった課金モデルがここにきて一気に花開いているわけだ。
Googleがはじめたすべてのサービスを無料で提供して広告で収益を上げるという路線とは対照的なモデルである。
各社の成長を横目に日本でも1年ぐらい前から「課金」というビジネスモデルに注目が集まり、業界内でも課金ビジネスに取り掛かりたいみたいなムードが出てきたし、1年前の僕のブログでもテーマとして課金を取り上げた。
ただ、ここで重要なのがどういった課金モデルを構築するかだと思っている。
ここで少しロングテールの話を。
昔、ECにおいて提唱されたロングテール理論はまたたく間にバズワードになった。
wikipediaから引用すると
The Long Tail(ロングテール)とは、「あまり売れない商品が、ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方。(引用)
と書いてある通りで名前の由来は
べき乗則に従う商品売り上げのグラフを、縦軸を販売数量(population)、横軸を商品名(product)として販売数量順に並べると(右図)、あまり売れない商品が恐竜の尻尾(tail)のように長く伸びる。つまり、販売数量が低い商品のアイテム数が多いということを表す。
このグラフの形状から因んで「ロングテール」という。(引用)
とあるとように恐竜の尻尾からきている。
グラフにすると以下のような感じで

オレンジ色のtailの部分(一般的に80%)の部分が売り上げの大部分を占めるという話。
これはご存じのように上位20%が80%の売り上げを占めるというパレートの法則に対してのアンチテーゼ的にでてきた理論である。
ロングテールの理論はECから派生して、CGM/UGCサービスがたくさん生まれた2005,6年あたりから梅田望夫さんの「ウェブ進化論」の流行と相まって、CGM/UGCもtailのコンテンツによるメディアが80%のPVを生みだす的に使われてきた。
しかし、これは課金ビジネスには当てはまらない。
従来課金ビジネスというと以下のようなグラフになるモデルが多い。

定額でお金を払う人と払わないで使う人の2パターン。
(金額が複数ラインがあるともう少し階段的になるけど)
いまこのブログを書いているlivedoorBlogも無料とより多くの機能が使える有料パターンなので上記モデルだし、携帯の公式サイトの多くは無料がなくて有料のみで上記のようなグラフになる。
ニコニコ動画にしてもYahooIDにしてもmixiプレミアにしても多くは1つかまたは複数のより多くの機能が使える有料バージョンが用意されている形のモデルだ。
これをロングテールと比較してロングボディとでも名付けておくことにする。
このモデルの場合、まずは無料のユーザーをたくさん集めることが大切で、大体全体ユーザーの10%とかがお金を払ってくれる。
そうするとこの10%が全体の収益を生んでくれればいいのだが、そこまでの規模にならないため、結果として90%のユーザーから生み出されるPVを広告メディアとして広告モデルを取り入れることで収益が成り立つことが多い。
ここで、ゲーム内の課金やアバターに話を戻すとこれらのモデルはロングボディになっていない。
これらの収益分布は概ね以下のグラフのようになる。

上位の数%のユーザーの課金売り上げが全体の100%の収益を生みだし、それだけで十分な収益として成り立ってしまう。
それはグラフに左に行けばいくほどヘビーユーザーなわけだけど、この左に行けばいくほどお金を払ってくれるからだ。
これをロングテールと比較してロングネックと名付けてみる。
当たり前といえば当たり前の部分もあって、
よりそのサービスの恩恵を受けている人ほどその対価をちゃんと払いますという話なんだから。
ただ、インターネット業界は従量制から定額に移ってきた(携帯電話のパケット利用料もまさにそう)部分があるから頭でわかってもいざ実際にビジネスモデルを組むと意外に定額生になることが多い。
じゃぁ、なんでネットワーク時代にロングネックモデルが頭角を現してきたかというと、ひとりじゃないからだ。
つまりは誰かに見られたいとか、誰かとの競争であったりとか、友人関係がプラットフォームとしてあるからこそ課金が成り立つコンテンツによるからである。
こんな話を書くと、
そんなことはわかっているけど、それが成り立つのはアバターとかゲーム内課金とか限られているでしょ、という話になりやすい。
が、そうではないと思っているからあえてテーマとして挙げてみた。
そしてここはもっといろいろなアイデアが生まれるモデルだと思っているか取り上げたというのもある。
たとえばいま注目しているモデルの一つはバーチャルギフト。
これはゲームに向いているというより、コミュニケーション系であったり、UGC系に向いているビジネスモデルだと思う。
簡単にいえば友達の誕生日に本当の花ではなくて、デジタルな画像の花をプレゼントするというモデル。amebaプレゼントとか。
それはCDではなくて着うたをプレゼントするというのも同じ話。
もうちょっというと誕生日じゃなくてよいコンテンツをpublishした人にプレゼントするというのもそう。はてなスターみたいに。
このモデルは無料であげあえるコンテンツが基本にあって、一部が有料のコンテンツをあげあう形になるのだが、ゲーム内アイテムと同じでロングネックな分布になると思う。
ただ、これは言うは易し、行うは難しで、
ネットワークの中で、そのコンテンツの価値を醸成できないとだれも有料の物を買わないし、そもそももらってもうれしくない。
あげたい、もらってうれしい、この関係をつくりだし、かつインフレにならないように設計するのは新しく国を創り、そこに貨幣システムを投入するのとよく似ていると思う。
だからこそそのシステムをうまく建設できた会社はgreeやDeNAのように多くの収益の恩恵にあずかることができる。
だからこそ、面白いという面もあるし、やりがいがあるという部分もあると思う。
リアルの時代のビジネスモデルはさらにこの色を強くするのではないかと考えていて、理由はリアルだから。
というわけで、気が付いたら結構ボリュームあるエントリーになりましたが、
今年のテーマ二つ目は
2.課金ビジネスはロングネックへ
でした。
次回は1,2とは全然違う視点で。
